「お昼のニュースをお伝えします。殺人と死体損壊の容疑で逮捕されたホット籍のニック容疑者が逮捕された事件でホット王はニック容疑者の釈放と謝罪を要求しました。これに対しカナタ王は要求を拒否し、平和的解決を求めました。」
ニュースでホット王の本性が報道され、ルージュ・フローラ・マイケルは驚いていた。しかしサニーはニックから聞いていたからか平然としていた。

「あの野郎、俺らを弄んでたのか。」
「国交断絶を望みたいですわ。」
「ありえない。」

三人は口をそろえて言う。

「私だって受け入れたくない。でもこれが本性なら受け入れるしかないのかも。」
サニーは半ば諦め気味に言う。サニーはさらに続けた。

「でもきっと解決につながる糸口はあるはずよ。」
三人はサニーの言葉を信じた。

その後首脳会談でホットとカナタは対面するが、ホットは釈放と謝罪を要求していた。
「我が惑星の者を処刑など言語道断だ!今すぐ謝罪しろ!!」

カナタに詰め寄るホット。

「いかなる場合でも犯罪は犯罪だ。それにわしは強引かつ横暴な強硬姿勢には屈せず平和的解決を望む。」
カナタはホットを止めようとした。

しかしホットはカナタに掴みかかろうとしたので首脳会談は急遽打ち切りとなった。

「ホット王の横暴にはどうしたものか・・・」
カナタは頭を悩ませた。

一方自分の惑星に戻ったホットはあることを思いついた。
「こうなった以上見てるがいい。地球が滅ぼされる様をな!!」

その頃地球ではホット王の問題で会議していた。王族達はいろいろ考えるもいい案が思い浮かばずにいた時事件は起きた。

ドドオオオオオオン!!!

突如衝撃に見舞われた街。そこに警備員が現れた。
「大変です。ホット王が結成したであろう戦闘員が襲撃してきました!王族の方々はその場にとどまっていてください。」

王族達が身を潜める中外ではホット王率いる戦闘員が周囲を攻撃していた。

戦闘員は所かまわず攻撃を仕掛け、周囲はパニックに陥っていた。

「いいぞその調子だ!」
ホット王は喜びを爆発させながら豪語した。

「次はあそこを狙え!」
ホット王は指令を送る。ホットの狙いは城だった。戦闘員が王室に向けて破壊光線を放つと地球の戦闘員も破壊光線で応戦した。

互いの攻撃が押し合うが、ホットの威力に押されてしまう。ホットの戦闘員は城を狙った・・・その時だった。

ドゴオッ

ホットの戦闘員は一気に倒されてゆく。そう、サニー達が助太刀に現れたのだ。

サニー達は次々と敵を撃破していくが突如行く手を阻むグループに戦意喪失した。

「マグネにシウム?」
「ドレッシー?」
「ハバネロ?」

そう、格闘試合で対戦し、東方哀嵐怒の一件では共闘した面々が立ちはだかったのだ。

「格闘試合の後一緒に戦ったでしょ?なんで?」
サニーは呼びかけるが彼らは聞く耳を持たない。

「一緒に戦った?そんなの知るか!!俺達は王様に洗脳されて忠誠を誓い、防弾少女団と同盟を結成したのだ!」
ハバネロはそう言うとサニー達に攻撃を仕掛けた。

サニー達は先に防弾少女団を倒していき、7人倒し切ってハバネロ達の所へ向かおうとした。しかし

「滅べ、地球!!」
少女団の一人がやられたふりして奇襲を仕掛けた。サニーはとっさの機転で反撃し、再び倒し切った。

そしてサニー達はハバネロ達に戦いを挑むが、洗脳された彼らは格闘試合の後にホット王に鍛えてもらってたことも相まって大幅にパワーアップしていてサニー達は手も足も出ず追い込まれてしまう。

「どうした?てめえら地球人の実力はこんなものか!?」
ハバネロは高笑いした。その間にマグネシウム兄弟とドレッシーが光弾で攻撃した。

攻撃から逃れたサニー達だが、ハバネロの不意打ちにかかり倒れてしまう。

「ふんっ、こんなものか。」
ホット王は呆れた目でサニー達を見た。

「そうだ、良い事思い付いたぞ!」
ホット王はそう言うとルージュ・フローラ・マイケルに催眠を仕掛けた。そしてサニーが起き上がった瞬間目の前にはルージュ・フローラ・マイケルが立ちはだかるようにして立っていた。

「みんなどうしたの?」
さっきまでと明らかに様子がおかしい3人に動揺するサニー。

その時3人は一斉にサニーに向けて光線を放った。

「私達仲間でしょ?ほら思い出して!」
サニーは必死に呼びかけるが、サニーの声は届かなかった。

「仲間?私達がいつ仲間になったっていうの!?」
「砕け散れくそったれがぁぁっ!!」
3人は完全に記憶を失い、ハバネロ達とともにサニーに攻撃した。

(ルージュ、フローラ、マイケル・・・あなたたちとは戦えない。)
なおもサニーへの猛攻は続き、必死に耐えていた。

「ギャーッハッハッハッ!いいぞ、このままサニーを殺してしまえ!!」
ホット王は喜びながら指令した。

マイケル・フローラ夫妻が同時攻撃するとルージュもそれに続く形で攻撃した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!!!」
サニーは仲間達の攻撃で苦しみ倒れた。するとホット王はさらに何かを思いついたようだ。

「そうだ、サニーにもこうしてやろう。」
ホット王はそう言うとサニーに催眠を仕掛けた。するとサニーはさっきと様子が変わり、3人とハバネロ達に攻撃を始めた。

遂に戦いは同士討ちに発展し、誰にも止められなくなってしまった。

「このまま地球ごと自滅していけばこっちのものだ!!」
ホット王は同士討ちで地球ごと自滅するのを目論んだ。

洗脳されたサニーはルージュを捕まえるとフローラ・マイケル夫妻目掛けて投げ飛ばした。フローラとマイケルがよけるとハバネロに激突し、激高したハバネロは破壊光線を放った。
サニーはすぐさまよけるとマグネシウム兄弟とドレッシーに命中した。ダメージを受けた3人はやけくそと言わんばかりに光の玉を全方向に投げつけた。

死闘が激しくなるにつれ一同は狂暴化していき、周囲は焼け野原に代わっていった。その光景はまるで内戦さながらのようだった。

激しい死闘で疲労した一同はついにその場に倒れてしまった。

真っ暗な世界、そこにサニー達とハバネロ達がいた。サニーは仲間のもとに駆け寄るが、全員そのまま走り去ってしまう。
「私達仲間でしょ!?なのにどうして私を置いてっちゃうの?」

サニーは必死に呼びかけるが、全員サニーに気が付かないのかそのまま消えてしまった。

「私また一人になっちゃったよ。ギャングに家族を殺されたみたいに・・・」
サニーは今にも泣きだしそうな表情で暗闇を見つめた。するとそんなサニーに誰かが呼びかけた。

後ろを振り返るとそこには仲間達がいた。

「そんな表情するなんてサニーらしくないよ。」
「俺達仲間だろ?」

仲間達の呼びかけにサニーは嬉しくて仕方なかった。

(私はもう一人じゃない。)
サニーは自信を取り戻した。

しばらくして気が付くと自分がボロボロになってることに気づくサニー。
しかも自分だけでなく全員同じような状態だった。

「あれ?私達何してたのかな・・・」
どうやらサニーは洗脳された時の記憶が残っていないようだった。それだけでなく他の一同も全員洗脳された時の記憶は残っていなかった。

一方この光景を見たホット王は頭を抱えて悩んだ。

「くそっ、地球滅亡は失敗か。こうなったら・・・」
ホット王は再び催眠術で洗脳しようとするが、サニー達には効かなかった。それどころかハバネロ達にも効かなかった。

意を決したホット王は遂に動き出した。
「こうなったら仕方ない。俺の手で潰してやろう。」

ホット王は自らの手で地球を滅ぼそうと動き出した。王はどこからか取り出したキムチや唐辛子を大量に食べると口から火炎放射した。
事態に気付いたサニー達は気功波でかき消した。するとホット王はハバネロ達に襲い掛かった。

「貴様らホットを裏切るのかああああああっ!!!」
ハバネロ達はホット王を迎え撃つとサニー達も加勢した。しかし8人が束になってもホット王は余裕で返り討ちにした。

「これだけ束になっても跳ね返されるなんて。」
サニーは驚いた。しかしそれでもめげずに攻撃を続けた。

どんどん威力を上げていくが、ホット王はダメージを受けなかった。
「これで終わらせてやる!」
ホット王は手からエネルギー弾を放った。エネルギー弾は次々と爆発し、サニー達に襲い掛かった。

「こうなったらこうするしかないわね。」
サニーはそう言うとレッド&ブルーと再戦したときのように4人で向き合って手を上げると光の玉が出現した。ハバネロ達はサニー達の合体技に興味津々だった。光の玉から放たれる気功波はホット王を直撃したが、それでも息切れ程度にしか過ぎなかった。

「あれだけやっても倒せないなんて・・・」
サニー達は唖然とした。ホット王はそんなサニー達を嘲笑うような目で見た。

「所詮謝罪もろくにできない野蛮な星は今すぐにでも滅ぶべきだ!」
ホット王の横暴にサニーが声を上げた。

「口ではそう言うけど本当は地球が好きなんでしょ!?前に地球が狙われたとき体を張って私達を守ろうとしたじゃない。あの時のこと思い出して!!」
サニーはホット王に呼びかけるがホット王は聞く耳を持たなかった。

「何が地球好きだくだらん!あれは道連れになりたくないから仕方なく中立する演技をしたまでだ!!そうとわかったら砕け散れ!!!」
ホット王はそう言うと破壊光線を放った。サニーは気功波で迎え撃つが、逆に押し返されてしまった。

「さて、アレをつぶしてやろう。」
ホット王は城に目を向けると気功波を放った。サニーは事態に気づくも時すでに遅し、気功波は城に向かって撃たれていた。

気功波が城に直撃しようとした瞬間だった。

突如ステッキに跳ね返される形で気功波が跳ね返り、ホット王に直撃した。事態を察知したフェリーチェがステッキで防御したのだ。
「これ以上地球の民を傷つけるのはおやめください。」

フェリーチェはホット王に呼び掛けた。しかしホット王はフェリーチェに襲い掛かろうとしたのでハバネロ達が抑え込んだ。

「王女様に傷負わせるなんてそれでも王か!!ホット王こそこれ以上俺らの評判を下げるんじゃねえ!!」
ハバネロはホット王を殴り飛ばした。その様子を見ていたフェリーチェはSPによって城内に戻された。

ホット王はハバネロ達に怒りをぶつけた。
「この裏切り者が!!ホット人でありながら地球に味方するとはもう許さん!貴様らまとめて粛清してやる!!」
ホット王はハバネロ達に襲い掛かった。ハバネロ達は地球人と親交を深めたことから粛清されるのを覚悟した。

しかしサニー達がそれを阻んだ。サニー達はホット王にこう言った。

「星同士の関係が悪くても住人同士の友情は変わらないでしょ!」
「王族同士の不仲を理由に滅ぼすなんてどうかしてるわ!」
「嫌ってる星を滅ぼしてそれで満足なの?」
「ホット王の思想は間違ってる。少しは考え直すべきだ!」

ホット王はサニー達に諭されるが、ホット王は態度を改めなかった。

「黙れカスがああああああああああっ!!!!!!」
ホット王は次々と光の玉を投げつけた。サニー達は気功波で跳ね返すとハバネロ達も加勢した。

しかしそれでもホット王の威力は凄まじく抑え込むのがやっとだった。するとホット王に変化が起きた。

「王として本当はこんなことはしたくなかったんだが仕方ない。こうしてやる!!」
ホット王はそう言うと巨大な怪物に変貌した。

怪物化したホット王はビルを引っこ抜くとサニー達目掛けて振り下ろした。とっさによけると一斉に攻撃を始めた。
ひたすら攻撃を続けるがダメージを受けた様子はなかった。

「ただでさえ耐久性高いのに怪物になんてなったら手の打ちようがないな。」
マイケルは言う。

「ホット王がこの姿になったのは初めてだ。」
「すごく不気味だわ。」
マグネシウム兄弟とドレッシーは戦慄した表情を浮かべた。そんな中ルージュはあることに気づく。

「そういえばハバネロ達もあんな風に変身できるの?」
ハバネロは困惑しながら答えた。

「できないことはないよ。でもなったことないからうまくいくかわからないけどね。」
変身できるかわからないハバネロ達は素の状態でホット王に挑んだ。しかし実力差は大きくとても太刀打ちできるものではなかった。そこにサニー達も加勢するが、ことごとく返り討ちにされてしまった。

ホット王はサニー達にとどめを刺そうと迫ってきた。

「ダメ、殺される・・・」
サニーは初めて死を恐れた。

「でもここでやられたら地球は終わっちゃう。何とか止めなければ・・・」
恐れながらも踏ん張るサニー。

「これ以上好きにはさせないんだからあああああああああああああっ!!!!!!」
サニーが全力で叫んだ瞬間ロギアと戦った時の剣が出てきた。サニーは剣を手にするとハバネロ達が興味を示した。

「なにそれかっこいい!」
ドレッシーは剣を手にしたサニーに興奮していた。サニーは思わず照れ顔になった。

「さ、いくわよ!」
サニーはそう言うと剣を構えながらホット王目掛けて走り出した。

「はぁっ!」
サニーは剣で勢いよく切りかかった。するとホット王は初めてダメージを受けた。

「みんな、私に続いていくわよ!」
サニーの呼びかけで一斉に攻撃を仕掛けてゆく。すると徐々にではあるがホット王はダメージが大きくなっていった。
これをチャンスと見たサニーは剣を振ると衝撃波が発射され、ホット王に直撃した。ホット王は大ダメージを受け、元の姿に戻ると同時に剣は消えた。

その後ホット王はマイケルが呼んだ医療班によって病院に搬送された。ホット王は気が付くとサニー達が見舞いに来てることに気づく。

「なぜ俺を助けた?俺は惑星の王としてあるまじき非道を尽くす限りの悪行を働いたのだぞ。」
ホット王はサニー達に問いかけた。

「前に私達がダメージ受けたとき助けてくれたでしょう。そのお礼ですよ。」
サニーは優しい笑みを浮かべながら言った。するとホット王は涙を流しながら俯いたのでサニーはそんな彼を抱き寄せた。

それからしばらくしてホット王は惑星ホットに帰還したが、ホット王の行いは周囲の惑星から問題視され、王の座を辞職した。その後王女が継承し、惑星ホット初のホット女王となった。

終わり

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